2013年7月19日金曜日

岩田先生とSpecialベベフィー

昨日、7月18日(木)渋谷の本部で、岩田先生おお迎えしてのSpecialベベフィーがありました。岩田先生は、神経内科のお医者さまで、長い間、東京女子医大でも教鞭をとってこられたのですが、私たちの言語交流研究所のシニアフェロウとしてヒッポの活動を応援してくださっています。

いつも先生のお話はとっても面白くて、お話もとっても愉快で、ヒッポのべべのお母さんたちは先生の大ファンです。
初めてヒッポにお越しいただいたのは、もう今から4年ほど前になりますが、その時は、「私が赤ちゃんの足の裏を擽りたい訳」という題でお話してくださいました。併せてたくさんの赤ちゃんの裏をいっぱい触って、赤ちゃんが次から次に生まれるヒッポの環境を心から喜んでくださいました。


神経内科の診察でもっとも大事だといわれるバビンスキー反射。
5~6か月の赤ちゃんがハイハイする前までは、爪楊枝で足の裏を擽ると
きれいに足が反り返るそうですが、ハイハイをし始めると全く反応しなくなるそうです。





 
そして、先生は失語症の患者さんをずっと診てこられていたので、人間のことばについてのお話を神経内科の視点でお話してくださったり、お絵かきについて、音楽について、ヒッポでお話をしてくださったりしました。先生がおっしゃるのに人間にだけ特徴的なこと、それは、
①ハイハイ②お絵かき③ことば

そして今回は、記憶についてのお話をしてくださいました。




先生は記憶を3つに分けて、
①知識の記憶
②技の記憶
③出来事の記憶
知識の記憶は、「○○知っていますか?」技の記憶は「○○できますか?」出来事の記憶は「覚えていますか?」っていう質問でその記憶の種類がわかります。
先生がお話してくれたのは、出来事の記憶について。これは、たった一回でも記憶される大変効率の良い記憶です。
そして、出来事の記憶は、3歳すぎて、母語がそれなりに話せるようになったから、『主語ー述語』ができてからでないと記憶されない。ことばの獲得と非常に関係のある記憶です。

参加したみんなも自分の記憶を10個書き出して、良い記憶○悪い記憶×どちらともいえない△をつけてその比率をみてみました。どうやらこれは、6:3:1の比率になるそうです。

出来事の記憶は何のためにあるのか?

この出来事記憶×が極めて少ない人は、死刑囚…、
なぜかというと、よい思い出だけでいい。なるほど~と思いました。
悪い思い出は必要なくなるんですね。
悪い記憶というのは、これからの行動を選ぶのに役にたつのであって、未来がない人には意味がないんですよね。なんだか元気が出てきます。
若い時の苦労は買ってでもするということばが浮かびました。
YL生(高校1年の留学に行った子どもたち)たち、苦労は宝ですね。YL生にYLの記憶10個を書き出してもらうのも面白いかも…と思いました。
12YL生、ドイツに10か月ステイして、
この夏きこくしたばかりのサン(福田君)が参加してくれました。

 


さらに先生は、ヒッポのプログラムがいかに理にかなっているか、お話してくださいました。
知識の記憶は、容量が決まっていて、年を取るといっぱいになっている。
でも体で覚える技の記憶や出来事の記憶はまだ容量がいっぱい残っているし、
さっきも書いたように感情の荷札のついた出来事の記憶は、たった一回で記憶されていきます。

歌ったり踊ったりするヒッポの記憶はまさに身体で覚える技の記憶に
ファミリーや交流の体験、人に出会う体験を重ねる出来事の記憶も…。

加えて、CDを繰り返し繰り返し聞いて、知識の記憶も…。

いろんな要素が重なって素晴らしいことばの獲得のプログラムです。
というか、実はこれが赤ちゃんの方法、自然に赤ちゃんがやっていることばの獲得の方法は一番理にかなった人間の方法なのだと思います。
神経内科の先生のことばでヒッポを説明してくれたような気がしました。
ヒッポのみんなは、こうしよう、ああしようということはなく、『赤ちゃんのように自然に!』を墓碑銘にやってきたらいつの間にかこうなっていたというのが一番しっくりきます。

さらに午後もご飯を食べながらもお話ややりとりがえんえんと続いて、最後は3時半をまわっていました。朝からしゃべり続けの岩田先生お疲れになったことと思います。

午後のお話もそれは実りあるお話で、またこれは別の機会に書きたいと思います。
岩田先生、ありがとうございました!
これは、最後まで残ってくれた人たちと一緒に。
岩田先生をご紹介してくださったシニアフェロウの藤村先生も最後まで参加してくださいました。


 
 



 
次回、岩田先生がヒッポにお越しいただけるのは12月19日!今からカレンダーにしるしを入れておいてくださいね。